柔らかい毛並み

ゆるく思ったことを綴ります。

点をつなぐこと

こんにちは。はなです。

あっという間に大晦日...
美味しいごはんを食べ、お酒を飲み、本を読み、のんびり過ごしております。

TVも特番ばっかですね。録画したアメトークをぼんやり見ながら、ブログにぽつぽつと文字を走らせております。

アメトークと言えば。
前に読書好き芸人の回があって。光浦靖子さんやオードリーの若林さんが出てたんですが。その時に、今年引っ張りだこな芸人、メイプル超合金のカズレーザーさんも出ていて。

私、カズレーザーさん好きなんですよ。なんかいつも笑っていて楽しそうだし(笑)、話していることを聞いていても、何だろう、好きなんです。

その回のロケは読書好き芸人よろしく、本屋さんで行われていたんですが、カズレーザーさん流の「本屋の歩き方」っていうコーナーがありました。

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「その企画楽しそー♡」とワクワクしながら見てました。そして、その時「おぉ」と思ったのが、カズさんは全然自分の専門でない棚に行って、本を眺めるのが好きだと紹介していたこと。
虫の本が集まる棚に行き、「この本面白くないですか?(笑)」と珍しい虫図鑑なんかを眺めてました。「あ、私もやりたーい」と思いました。

カズさんのやり方を踏襲し、それから図書館に行く時は、私も全然興味持ってなかった棚を眺めて歩くようになりました。そんな中で見つけた本がこれです。

アウトプットのスイッチ

アウトプットのスイッチ

完全に、タイトルの「アウトプット」のみ見て借りました。前に書いたことかもしれませんが、このブログを始めるきっかけが本で読んだことや日々思ったことをアウトプットしたい...と感じていたことからです。
そのヒントが何かないかしら?私だけでなくブログを見て下さる皆さんにも有益な情報を出せる秘訣とかがないかしら?

そんな思いで手に取りました。

まぁ、そんな簡単に手に入る秘訣があれば、誰もが飛びつきますね。(笑)


不勉強なもので、私知らなかったんですが、著者である水野学さんはアートディレクターの方で、くまモンの生みの親だそうです。

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どうやって売れるものを作るか考えるという視点は、マーケティングを全く知らない私にとって新鮮な気持ちで読めました。水野さんも、とっても分かりやすく書いてくれていますしね。

この本でもう1つ、読みごたえがあったのは、生物学者である福岡伸一先生との対談でしょうか。

福岡先生は、生物の進化についてこう述べています。

生物の進化過程は、一見色々な機能を最適化して残していっていると思われがちである。しかし、実際はたまたま便利な機能が生き残ってきただけ。後から結果だけ見ると、合理的で合目的的なデザインに見えてしまうのだ、と。


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さらにそこから派生して、一個人の進化(精神的成熟性と言えるかな?)過程についても述べられています。

目標や目的を目指して、それに向かっていっても結局チープなものにしかならない。目指す過程を考える時、人間の想像力は大したものではないからである。実際は、あれこれやっているうちに何となく色んなことがつながってきて、思いもよらない関係性ができてくる。それを後から見ると、あたかも設計したかのように見えるのだ、と。

対談では、スティーブジョブズの実例が出てきます。ジョブズも、とある講演で「たまたま興味を持って学んだカリグラフィーが、たまたまAppleのデザインの美しさに活きた」例を挙げながら、「何かに役立つと思うのではなく、役に立つかもしれないから信じて前に進め」と述べたとのこと。そして、それを「Connecting dot」、点がつながっていくこと、と例えています。


もちろん、やってはみたものの、つながらなかったdotもたくさんある。しかし、それはまさに生物の進化が行ってきたことそのものである。


もう、この辺りは深いなぁ〜〜と読んでて思いました。
自分の人生も、振り返ってみれば思いもかけない出会いが後の仕事につながっていたりして。
目的を立ててそれに目がけたプロセスを作り、目的の実現をはかること。
もちろんそれも大事ですが、それだけでは産まれない豊かさや進化があること。

色々なことがやりたくて目的から離れてしまっている気がしていた自分を、少し慰め癒してくれた気がしたのでした。


今の私の仕事に、この本で学んだ営業や生物学的な観点は全く関係なく、すぐ活きる知恵ではありません。

でも、1つのdotを作ってくれました。

つながらず、そのままになってしまうdotかもしれないけれど、思わぬところで他のdotとつながってくるかもしれません。

そう思ったら、なんだか素敵ですね。


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